Green Futureレポート

Green Future Report
国内大規模アリーナ初の
「ZEB Ready」を取得

GLION ARENA KOBE ジーライオンアリーナ神戸

2025年3月に竣工した「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)」。NTT都市開発株式会社が開発を行い、株式会社One Bright KOBEが運営を担うこの大規模多目的アリーナは、日本初となる、270度海に囲まれた水辺のアリーナです。このアリーナはV字型の独特な屋根形状をしていますが、実はこの形には、環境負荷の軽減につながる仕組みが隠されているのです。

※ZEB Ready:国が定めた基準となるエネルギー消費量から50%以上のエネルギー消費量削減に適合した建築物

神戸ウォーターフロントの
にぎわいの拠点として突堤(とってい)を整備

海と山に挟まれた、東西に細長い街である神戸。ターミナル駅の三ノ宮からまっすぐ南へ約20分も歩けば、神戸港の新港突堤に着きます。GLION ARENA KOBEはこの新港突堤の第2突堤に建てられています。新港の4本の突堤は明治から大正期にかけて建設された歴史あるもので、第2突堤は物流の拠点として長年利用されてきました。しかしポートアイランドなどができて物流機能が沖合に移ったこと、また阪神・淡路大震災で大きな被害を受けたこともあり、2000年前後から遊休地化していました。そこでウォーターフロントエリアをにぎわいの拠点として有効活用するためのさまざまな再開発が進められ、その中心的な事業のひとつとして建てられたのがこのアリーナです。

※海岸浸食の防止を主な目的として、海岸に対して直角方向に設置される堤防状の構造物。

海に囲まれた大規模アリーナ
海に囲まれた大規模アリーナ

港に突き出た第2突堤に建てられたGLION ARENA KOBE。整備された第2突堤エリアは「TOTTEI」の愛称が与えられ、港町神戸の新しいランドマークとなっています。

「この世界の心拍数を、上げていく。」
「この世界の心拍数を、上げていく。」

収容人数約1万人と関西最大級のアリーナでは、「この世界の心拍数を、上げていく。」をテーマに、プロバスケットボールのB.LEAGUEに所属する「神戸ストークス」のホームゲームをはじめ、スポーツや音楽コンサートなどさまざまなイベントが開催されます。

街と調和する夜間のライトアップ
街と調和する夜間のライトアップ

照明の色調を街の灯りと揃えることで、日本三大夜景のひとつに数えられる神戸の夜景に美しく溶け込みます。周囲と合わせてクリスマスカラーなど季節に応じた色に変えることもできます。

プロジェクトマネージャー NTT都市開発株式会社 開発本部の山﨑隆嗣

この事業のプロジェクトマネージャーを務めた、NTT都市開発株式会社 開発本部の山﨑隆嗣がアリーナをご紹介します。

独特の空間形状と
最新の制御技術によって
エネルギー消費量を大きく削減

GLION ARENA KOBEは、脱炭素実現に向け、建築計画と設備技術を高いレベルで融合した環境配慮型アリーナです。BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)認定の最高評価(5つ星)を獲得するとともに、「ZEB Ready」認証を取得しています。空調や換気に大きなエネルギーを必要とする大規模アリーナ施設(収容人数1万人規模)で「ZEB Ready」を取得したのは、国内初となる快挙です。さらにCASBEE®神戸(神戸市建築物総合環境評価制度)では、評価Aランクを達成しました。

V字型の特徴的な屋根形状
V字型の特徴的な屋根形状

この特徴的な屋根形状は、「神戸から感動と興奮を発信し、世界へ羽ばたく姿」を表現したもの。外壁の色は神戸の街のイメージに合わせた色合いにしています。

内部空間もV字型
内部空間もV字型

アリーナに入ると、内部も屋根の形状に沿って天井が中央から南北に向けて高くなっていることがわかります。ドーム型や片流れ型の屋根をした一般的なアリーナよりも内部空間の容積が小さくなり、座席形状に合わせて最適化することができるため、空調と換気の効率が向上します。これに加えて、取り入れ外気と排出空気の全熱交換や、CO2濃度センサーによる外気導入量制御などの最新技術の導入によって、建物の省エネ性能を評価する指標のひとつであるエネルギー消費量について、基準値に対して約52%の削減を達成しています。

天井に張りめぐらされた空調ダクト
天井に張りめぐらされた空調ダクト

アリーナの内部はコの字型に座席を配置し、どの座席からも見切れることがなく、臨場感と迫力のある観戦体験を提供。天井を見上げると、強度を確保するために複雑に組み合わされた鉄骨・ワイヤーなどの構造を見ることができます。天井に沿ってダクトが設置され、そこから下に向かって円筒形の空調吹出口が突き出しています。

空調の流れイメージ図
空調の流れイメージ図

空調の風は天井の吹き出し口から、アリーナフロアに向かって流れます。上から下への
1方向の気流によって、大空間を効率的に空調します。各空調ユニットは個別運転できるので、競技エリアと観客エリアの空調ゾーニングをわけたり、競技内容に応じて空調を一部停止することができます。

港の眺望が楽しめるコンコース
港の眺望が楽しめるコンコース

アリーナ部分をコの字型に取りまくコンコースはガラス張りで、訪れた人々は突堤ならではの眺望が楽しめます。コンコース以外では極力ガラス開口部の範囲を限定することで、建物全体の断熱性能を向上させています。

港湾エリアの環境に合わせた
バリエーション豊かな植栽

GLION ARENA KOBEが建つ第2突堤エリア「TOTTEI」は、アリーナで試合やイベントが行われる日はもちろん、そうでない日にも日常的なにぎわいと潤いを生む場所として、アリーナと一体的に整備されています。そしてアリーナを取りまく空間に潤いをもたらすため、また緑化によるCO2吸収量増加のため、アリーナの周りはさまざまな植栽を施しています。三方向が海に囲まれた場所だけに、潮風に比較的強い樹種を多く選定し、季節を彩ります。またベースはコンクリートで覆われた突堤なので、盛土によって植栽の生育に適した組成の土壌を各植栽に必要な厚さや範囲で確保しつつ、土壌の余剰な水分を適切に排水させる仕組みで根腐れを防ぎます。

にぎわいを生む西側エリア
にぎわいを生む西側エリア

アリーナ西側に広がる、にぎわいと潤いを生む空間。目の前の、第1突堤との間の海は、スーパーヨットとよばれる大型艇のためのマリーナとして、桟橋やクラブハウス、レストランなどが整備されることが決まっているそうです。

地元の人気店が並ぶ飲食店街
地元の人気店が並ぶ飲食店街

アリーナ西側1階には、地元神戸の店を中心とした飲食店が並びます。

照り返しの少ない舗装
照り返しの少ない舗装

人が行き交う屋外の歩道には、ポーラス(多孔質)状の舗装材が用いられています。通常のアスファルトより熱を吸収しにくく、透水性や保水性に優れているため、夏の炎天下での輻射熱を抑制してくれます。

みずみずしい緑が
お客さまをお出迎え

みずみずしい緑がお客さまをお出迎え シルバープリベット

アリーナのエントランス付近には、高木ではシマトネリコ、低木や地面を覆う植物にはスティパテヌイッシマやハマユリ、シルバープリペットといった植物が植えられています。

アリーナのエントランス付近には、高木ではシマトネリコ、低木や地面を覆う植物にはスティパテヌイッシマやハマユリ、シルバープリペットといった植物が植えられています。

人々に憩いを
与えてくれる木々

人々に憩いを与えてくれる木々 クロマツ

アリーナの南側には、一般動線と駐車場の関係者動線を緩やかにわけながら、公園に彩りを与える緑が植えられています。クロマツやシマトネリコ、ウミネコザクラなどは、将来的には成長して小さな森になる予定です。

アリーナの南側には、一般動線と駐車場の関係者動線を緩やかにわけながら、公園に彩りを与える緑が植えられています。クロマツやシマトネリコ、ウミネコザクラなどは、将来的には成長して小さな森になる予定です。

植栽には自動で水やり
植栽には自動で水やり

センサーによって、雨が降っている時には水やりがストップされます。またアリーナの基礎部分には雨水を貯めるタンクがあり、水やりに利用されています。

屋上緑化されたサブアリーナ
屋上緑化されたサブアリーナ

サブアリーナの屋根は、タケシマキリンソウを用いて屋上緑化されています。常緑の多肉植物であるタケシマキリンソウは、よほどのことがない限り雨水のみで水やりは不要。美しい緑は建物表面の温度上昇を抑制し、室内の空調負荷を低減することによって、省エネルギー効果が期待できるだけでなく、景観形成にも寄与しています。

TOTTEI PARK
TOTTEI PARK

アリーナの南側、突堤の先端部は「TOTTEI PARK」となっています。こちらは、国内初となる「港湾環境整備計画制度」(みなと緑地PPP)の認定を受け、株式会社One Bright KOBEと神戸市が官民一体で整備したものです。

緑化されたエリアのハクセキレイ

緑化されたエリアではハクセキレイをはじめ、鳥たちの姿も見かけました。生まれ変わった突堤は、周辺の生物にとっても憩いの場所となりそうですね。

緑化されたエリアのハクセキレイ

緑化されたエリアではハクセキレイをはじめ、鳥たちの姿も見かけました。生まれ変わった突堤は、周辺の生物にとっても憩いの場所となりそうですね。

開発に携わったスタッフたちの声
株式会社NTTファシリティーズ ファシリティーソリューション本部 プロジェクトマネージメント 馬渡健嗣

株式会社NTTファシリティーズ
ファシリティーソリューション本部

プロジェクトマネージメント

馬渡健嗣

神戸のウォーターフロントの再構築プロジェクトには企画段階から携わってきましたので、5年以上かけてようやく形になったことを嬉しく思います。GLION ARENA KOBEは目立つ、シンボリックな建物ですから、この建物を知ることで「こうしたことが環境への負荷軽減になるんだ」とか「自分もこうすれば省エネに協力できそう」といったことが広まる機会になったらいいですね。

神戸のウォーターフロントの再構築プロジェクトには企画段階から携わってきましたので、5年以上かけてようやく形になったことを嬉しく思います。GLION ARENA KOBEは目立つ、シンボリックな建物ですから、この建物を知ることで「こうしたことが環境への負荷軽減になるんだ」とか「自分もこうすれば省エネに協力できそう」といったことが広まる機会になったらいいですね。

株式会社NTTファシリティーズ ファシリティーソリューション本部 プロジェクトマネージメント 馬渡健嗣

NTT都市開発株式会社 都市建築デザイン部

施設の計画・開発担当

權田国大

大規模アリーナというエンタメ施設を手がけるのは初めてでしたし、立地条件も特殊とあって、非常に貴重な経験でした。本施設はアリーナ形状も特徴的で、ライブイベントを行ったアーティストの方からは観客との距離が近く感じると好評だそうです。この物件に限らず、環境へ配慮することは世の中の流れとして当然のこと。この先もさまざまな建物を担当すると思いますが、会社としても一個人としても意識していきたいです。

NTT都市開発株式会社 都市建築デザイン部 施設の計画・開発担当 權田国大

大規模アリーナというエンタメ施設を手がけるのは初めてでしたし、立地条件も特殊とあって、非常に貴重な経験でした。本施設はアリーナ形状も特徴的で、ライブイベントを行ったアーティストの方からは観客との距離が近く感じると好評だそうです。この物件に限らず、環境へ配慮することは世の中の流れとして当然のこと。この先もさまざまな建物を担当すると思いますが、会社としても一個人としても意識していきたいです。

NTT都市開発株式会社 都市建築デザイン部 施設の計画・開発担当 權田国大
NTT都市開発株式会社 都市建築デザイン部 施工者調整・コスト管理担当 北島慶明

NTT都市開発株式会社 都市建築デザイン部

施工者調整・コスト管理担当

北島慶明

このプロジェクトでは、開業を大阪万博に間に合わせるために通常よりも短い工期で進める必要があったため、短い工期の中で品質を確保することに苦心しました。工務担当が主に関わる施工段階でも、日陰を意識するといった環境面の配慮はできます。小さなことでも意外に大きな効果が得られますので、今後も積極的にプラスしていきたいと思います。

このプロジェクトでは、開業を大阪万博に間に合わせるために通常よりも短い工期で進める必要があったため、短い工期の中で品質を確保することに苦心しました。工務担当が主に関わる施工段階でも、日陰を意識するといった環境面の配慮はできます。小さなことでも意外に大きな効果が得られますので、今後も積極的にプラスしていきたいと思います。

NTT都市開発株式会社 都市建築デザイン部 施工者調整・コスト管理担当 北島慶明

NTT都市開発株式会社 開発本部

施設の運営計画担当

笹原剛

再開発前の周辺エリアは倉庫街で人通りも少なかった場所なので、飲食テナントが入ってくれるか心配でしたが、関西ではニュースなどで取り上げられて盛り上がっていると聞いて安心しました。何もなかった場所に人のにぎわいを創り出すのはデベロッパーとして一番楽しい仕事ですが、同時に環境への配慮も欠かせません。グループとしてはもちろん、社会的にも環境配慮は求められており、新しい技術を導入して取り組んでいきたいですね。

NTT都市開発株式会社 開発本部 施設の運営計画担当 笹原剛

再開発前の周辺エリアは倉庫街で人通りも少なかった場所なので、飲食テナントが入ってくれるか心配でしたが、関西ではニュースなどで取り上げられて盛り上がっていると聞いて安心しました。何もなかった場所に人のにぎわいを創り出すのはデベロッパーとして一番楽しい仕事ですが、同時に環境への配慮も欠かせません。グループとしてはもちろん、社会的にも環境配慮は求められており、新しい技術を導入して取り組んでいきたいですね。

NTT都市開発株式会社 開発本部 施設の運営計画担当 笹原剛
NTT都市開発株式会社 開発本部 関係各社との契約担当 篠永信一朗

NTT都市開発株式会社 開発本部

関係各社との契約担当

篠永信一朗

私が在籍している再開発事業推進部は40年、50年のスパンで取り組む長期プロジェクトが多いのですが、このアリーナプロジェクトでは、更地の状態から竣工式に至るまでを見ることができて、よい経験になりました。神戸市のターニングポイントとなるような事業ですし、ひと際目立つ重要な場所にこうした環境に配慮した施設ができたのは大きな意義があると思います。

私が在籍している再開発事業推進部は40年、50年のスパンで取り組む長期プロジェクトが多いのですが、このアリーナプロジェクトでは、更地の状態から竣工式に至るまでを見ることができて、よい経験になりました。神戸市のターニングポイントとなるような事業ですし、ひと際目立つ重要な場所にこうした環境に配慮した施設ができたのは大きな意義があると思います。

NTT都市開発株式会社 開発本部 関係各社との契約担当 篠永信一朗
NTT都市開発株式会社 開発本部 プロジェクトマネージャー 山﨑隆嗣

NTT都市開発株式会社 開発本部

プロジェクトマネージャー

山﨑隆嗣

ウォータフロントの再開発は神戸市が力を入れている事業とあって、街づくりの観点でもご協力をいただきました。神戸の街とつながる回遊性がうまれ、高揚感のある空間ができ、よい官民連携事業になったと思います。環境面では、プロジェクトを進めている間にも年々夏の暑さが深刻化していき、木陰を作るためにできるだけ植栽を入れましたが、大きくなるまでには少し時間が必要です。暑さ対策は今後も課題ですね。

ウォータフロントの再開発は神戸市が力を入れている事業とあって、街づくりの観点でもご協力をいただきました。神戸の街とつながる回遊性がうまれ、高揚感のある空間ができ、よい官民連携事業になったと思います。環境面では、プロジェクトを進めている間にも年々夏の暑さが深刻化していき、木陰を作るためにできるだけ植栽を入れましたが、大きくなるまでには少し時間が必要です。暑さ対策は今後も課題ですね。

NTT都市開発株式会社 開発本部 プロジェクトマネージャー 山﨑隆嗣
事業概要 Business Overview GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)※記載内容は2025年8月現在のものです。施設・サービスの内容は予告なく変更・終了することがあります。
所在地
神戸市中央区新港町
2番1号
敷地面積
約23,700m2
延床面積
約32,200m2
規模
地上7階
事業主
NTT都市開発株式会社
設計・施工
株式会社大林組
運営会社
株式会社
One Bright KOBE
開業
2025年4月4日
URL
https://www.totteikobe.jp