Green Futureレポート
難波宮跡公園(北部ブロック)
商業施設「なノにわ」がオープン!
記事公開時には工事中だった北部ブロックの整備が終了し、2025年3月に商業施設
「なノにわ」が開業いたしました。開業後の様子について記事を追加しています。
難波宮跡公園 「みんなのにわ」プロジェクト
※2017年の都市公園法改正により創設された「公募設置管理制度」の通称。都市公園において飲食店・売店などの公園施設(公募対象公園施設)の設置または管理を行う民間事業者を、公募により選定する手続きのこと。施設から得られる収益を還元して、園路や広場などの公共部分の施設(特定公園施設)の整備・改修などを一体的に行うことが条件となります。
市民とともに守り育てていく
街の「にわ」
「難波宮跡公園(北部ブロック)整備運営事業および難波宮跡(南部ブロック)管理運営事業」とは、2050年の難波宮跡遷都1400年に向け、国指定の史跡「難波宮跡附法円坂遺跡」の保存活用を図り、未来へと継承するために、歴史魅力あふれる難波宮跡のイメージを体感できるよう、公園整備や難波宮跡全体を活用したにぎわい創出を担う整備・運営事業です。
この整備・運営を担うNTTアーバンソリューションズグループは、古代の人々が遺した遺産であり、1950年代から市民によって保全されてきた貴重なオープンスペースである難波宮跡公園について、市民が自身の居場所として利用し、守り育てていく街の「にわ」と位置付けました。そしてその魅力を最大限に引き出すことで、市民が出逢い、愛着や誇りを育み、新たな歴史を紡ぐ場とし、市民とともに未来へ引継ぐことをめざしています。
「難波宮跡公園」は、今回の事業に合わせて開設する「北部ブロック」、計画区域指定済みで未開設の「南部ブロック」、開設済みの「西部ブロック」の3ブロックからなる歴史公園です。北部ブロックはPark-PFI事業に基づく建物および園地整備や魅力向上、管理運営業務を担います。南部ブロックでは魅力向上や維持管理などの業務を行います。
大阪城公園・
難波宮跡公園の緑が
一体となった計画で
大阪市初の『SEGES
「つくる緑」』の認定を取得
また当グループは、2025年春に開業するライフスタイルホテル「パティーナ大阪」を中心に、難波宮跡公園の東側隣地でも開発を進めており、エリア全体で一体的な環境整備を行っています。
周辺の自然環境を活かした緑化をめざしていることや、ホテルや史跡指定地との連携による地域の魅力向上の取組みがなされていることなど、近接する大阪城公園および難波宮跡公園の緑が一体となった、うるおい豊かで快適な空間を創出する計画は、公益財団法人都市緑化機構が認定する『SEGES(シージェス:社会・環境貢献緑地評価システム)「つくる緑」』を大阪市ではじめて取得しました。
国指定の史跡
「難波宮跡附法円坂遺跡」とは?
飛鳥時代の645年からはじまった「大化の改新」に伴う飛鳥からの遷都によって造営された難波宮。奈良時代にも同じ場所に都が造営されたため、飛鳥時代の宮殿を「前期難波宮」、奈良時代のものを「後期難波宮」と呼んで区別しています。難波宮は長年具体的な場所は不明でしたが、1954年からの山根徳太郎博士たちの発掘調査によって存在が明らかになりました。そして1964年に大極殿院を中心とした範囲が史跡に指定され、後に周辺の約14.5万haが国史跡「難波宮跡附法円坂遺跡」として指定されています。現在の難波宮跡公園の北部ブロックは、天皇の居住する内裏地区にあたります。南部ブロックは宮殿の中枢部があった場所で、重要な政務や儀式を行う大極殿院があり、その南に朝廷の公式行事などを行う朝堂院が左右対称に並んでいました。
歴史や環境に配慮した整備が
進む北部ブロック
難波宮跡公園の北部ブロックでは、2025年3月の開業に向けて整備が着々と行われています。北部ブロックのうち、史跡区域では広大な芝生の広場とともに、後期難波宮の内裏正殿(基壇部)の復元や各歴史遺構の解説板の設置などによって、来園者が難波宮のスケールや当時の雰囲気を身近に感じることができます。
一方、北部ブロック西側エリアでは、公園の利便性を高める商業施設・駐車場などを新たに整備します。広場と施設を一体と捉え、公園や周辺の景観に溶け込ませることで、史跡を引き立たせるとともに、来園者に難波宮の歴史への理解を促します。また、駐車場にはEV充電器を設置。再生可能エネルギーの導入も検討されており、排気ガス削減や脱炭素に貢献します。
豊かな自然を感じられる
公園一体型の商業施設
「なノにわ」が開業しました
「なノにわ」では、来園者が園地と施設を一体的に利用しやすいように配置。開放的なテラス席では、広々とした芝生広場を眺めながらフードやドリンクを楽しむことができます。また広場では難波宮跡の歴史性を尊重して後期内裏正殿や回廊などの遺構表示を行い、各遺構表示に歴史解説板を設置しました。遺構表示は実際の地下遺構に影響を与えないように整備しています。歴史を身近に感じつつ、自由にくつろぐことができます。
4棟からなる「なノにわ」には、飲食店など魅力的な店舗が揃います。 「なノにわ」について詳しくはこちら
芝生広場に整備した回廊の遺構表示は、前期部分には赤色、後期部分には黒灰色の舗装を施しています。芝生の効率的なメンテナンスのため、芝刈りロボットを導入。芝生の健全な生育を促します。
園内には太陽光パネル付きLED街路灯を設置。日中に発電・蓄電することで夜間や停電時に点灯が可能となり、省エネと公園利用者の安全安心を両立します。
都会の真ん中に保たれた、広大な緑地の南部ブロック
難波宮跡の南部ブロックは、そのすべてが史跡区域に指定されているため、新たな施設を建設したり、高木を植え替えるといった大規模な整備は行えません。しかしその結果、都会の真ん中にありながら、広大な緑地が保たれることとなりました。一般的にイメージされるような、整然と整備された都会の公園とはちがう姿に驚く方が多いそうです。
そんなある意味貴重なこの公園では、四季折々の自然を楽しむことができ、近隣の住民の方々にとっては日常的な憩いの場となっています。園外保育には格好の場所とあって、平日には子どもたちが原っぱを駆け回り、休日には思い思いにピクニックを楽しむ人々も見られます。
南部ブロックの西側には桜があり、周辺の住民の方々の穴場的なお花見スポットとなっています。
利用者である市民のみなさまとも連携した公園運営
難波宮跡公園の運営において非常にユニークな点は、市民自らが公園のあり方やよりよい運営方法を考え、活動することができる環境づくりを行おうとしているところです。
2023年10月から開始した「なにわのみや1400プロジェクト」は、難波宮跡で「あんなことをやってみたい!」「こんなことがやってみたい!」という、市民のみなさまのアイデアを気軽に相談・実現できる仕組みを提供することで、 一緒にこの場所を盛り上げ、未来に引継いでいく活動です。「難波宮跡公園(北部ブロック)整備運営事業および難波宮跡(南部ブロック)管理運営事業魅力向上業務」の一環として、難波宮跡公園「みんなのにわ」プロジェクトが支援し、特定非営利活動法人トイボックスが運営しています。公園の南側入り口近くの大きなクスノキの下には、活動拠点となる「難波宮サポーターズクラブ(なにさぽ)」のキッチンカーが停まっています。
公園のブランド価値を上げ、
みんなにとって
大事な場所に育てたい
「運営管理の仕事は、施設をはじめハード相手の面ももちろんありますが、それよりも、かかわる人々の間に入ってみなさまの希望をうかがい、落とし所を探ることが一番大事。いわば究極の調整屋です」と八尾は語ります。難波宮跡公園の場合なら、所有者である大阪市、利用者である市民の方々、そして難波宮跡公園『みんなのにわ』プロジェクトの他のメンバーや作業を委託している専門会社さんそれぞれの想いを汲み取り、その間を取り持ちながら、理想とする公園環境を紡いでいきます。そして公園の維持管理と並行して八尾がこれからめざすのは、公園の知名度向上です。
「この公園はこれまでかなり自由に利用されてきましたが、この場所がみなさまにとってもっと大事な場所になれば、汚す気にはならないはず。『居心地のよい場所だからマナーを守って利用しよう』という意識を自然に持っていただくために、公園のブランド価値をあげていきたいですね」
これまで賃貸マンション、オフィスビル、ホテルなどの運営管理に携わってきた八尾。公園の管理ははじめてです。「私は、新しいことを楽しんでやろうというスタンスで仕事に取組んでいます。理想の公園環境が整うまでには時間がかかると思いますが、いつか叶えたい」
集客力の高い
イベントによって公園の
知名度と魅力を向上
南部ブロックでは、エリアの賑わいを生むためのさまざまなイベントを開催しています。北部ブロックの開業後は、南北一体となるイベントによって、エリアのさらなる魅力向上をめざします。
難波宮跡公園「みんなのにわ」プロジェクトに携わっているスタッフたち。左からNTTアーバンバリューサポート株式会社関西事業部 竹内拓朗・八尾学、NTT都市開発株式会社関西支店 平田吉典・黒川麻美・外川哲。プロジェクトメンバー同士の連携を軸に、市民のみなさまや外部のさまざまな方々の協力も得て、魅力ある公園づくりを行っていきます。
物件概要Property Description
※記載内容は2024年10月現在のものです。一部内容は2025年10月現在の情報をもとに更新しています。
施設・サービスの内容は予告なく変更・終了することがあります。