Green Futureレポート
ひろしまゲートパーク
※2017年の都市公園法改正により創設された「公募設置管理制度」の通称。都市公園において飲食店・売店などの公園施設(公募対象公園施設)の設置または管理を行う民間事業者を、公募により選定する手続きのこと。施設から得られる収益を還元して、園路や広場などの公共部分の施設(特定公園施設)の整備・改修などを一体的に行うことが条件となります。
広島市民の憩いと
交流の場である
広島市中央公園
広島市の中心地である紙屋町・八丁堀地区に隣接しながらも、国史跡広島城跡を含む約42.8haもの広大な面積を有する広島市中央公園。周辺の平和記念公園や平和大通り、本川(旧太田川)などの河川・河岸緑地とともに、水と緑に囲まれた豊かな空間をもたらしています。市では時代のニーズを踏まえた建替・再配置が検討され、旧広島市民球場跡地を利用する形で2023年3月に開業したのが「ひろしまゲートパーク」。また、中央公園広場に建設されたサッカースタジアムに続いて2024年8月に開業したのが「ひろしまスタジアムパーク」です。
ひろしまゲートパークは広島市中央公園内の南部、ひろしまスタジアムパークは北部に位置します。また、ひろしまゲートパークの南には原爆ドームが位置しています。
ひろしまゲートパークは広島市中央公園内の南部、ひろしまスタジアムパークは北部に位置します。また、ひろしまゲートパークの南には原爆ドームが位置しています。
旧広島市民球場の敷地を憩いと
賑わいの公園空間に整備

中央の円形広場を囲うように店舗を分棟で配置し、さらに外側に緑地帯を配しています。
平和記念公園から南北に延びる「平和の軸線」上に整備された全長約190mの「ピースプロムナード」。このプロムナードの両脇にはソメイヨシノが植樹され、桜並木の散歩道となっています。
開発担当のNTT 都市開発株式会社の桑原誠(右)と運営・維持管理担当のNTTアーバンバリューサポート株式会社の上元新一郎(左)がご紹介します。
ゲートパークプラザ(中央イベント広場)を囲む8棟の商業施設群「SHIMINT HIROSHIMA(シミントひろしま)」は、公園との⼀体感を⽣み出す並⽊をイメージした建物となっています。大部分に在来軸組み工法を採用し、主体構造が鉄骨の部分も仕上げ材に木を用いて並木形状にすることで建物と木々が調和する景観を形成しています。これらの木材の一部には、CO2取込みピークを越えた樹齢40〜50年の広島県産のスギやヒノキが活用されており、輸送時のガソリン削減も含めた脱炭素化に取組んでいます。この取組みが評価され、日本ウッドデザイン協会の「2023年ウッドデザイン賞ライフスタイルデザイン部門」に選ばれています。また、商業施設共用部の電力は再生可能エネルギー由来の電力を使用し、環境負荷の低減に取組んでいます。
木陰のような軒下のテラス空間を作ることで、公園と一体的に利用できる店舗デザインとなっています。
方杖(ほうづえ)と呼ばれる、梁を支える斜材を樹木の形状に見立てています。
脱炭素化の工夫が
散りばめられた公園施設
ひろしまゲートパーク内に進むと、中央にある約6500㎡のイベント広場「HIROSHIMA GATE PARK PLAZA(ひろしまゲートパークプラザ)」と、それを取り囲むように配置されたさまざまな施設が目に入ってきます。なかでもひときわ目を引くのは、高さ約9m、広さ約900㎡の大屋根。この大屋根を支える16本の柱の下部には、「環境配慮コンクリート」を採用したベンチが設置されています。工場から排出されるCO2を固定した炭酸カルシウムと、製造時のCO2排出量の多いセメントに代えて製鉄副産物の高炉スラグを使用することで、CO2排出量の大幅な削減を実現。環境に配慮した人々のくつろぎの場となっています。
並木形状に折り鶴の要素を組み込んだデザイン。柱ユニットが支え合う構造形式で、小さな居場所と大きな空間を両立しています。
このベンチは、合計約1tのCO2を固定し、CO2排出量は通常のコンクリートベンチと比べて約2tも削減しています。
公衆トイレも木材を活用したデザインに。災害時、断水していてもタンクに水を入れれば利用できます。
公園の外形を作り出す
グリーンリボンの植栽帯
ひろしまゲートパークでは、旧広島市民球場の形状が大小2つのリボンによって表現されています。そのうち内側の「ユニバーサルリボン」は、これまでに紹介した、広場を囲むシミントひろしまの店舗群や芝生などで構成されています。そして外側の「グリーンリボン」では、旧広島市民球場の外周に沿う形で植栽が連続することで、公園の外形を作っています。グリーンリボンの植栽帯は、元々球場を囲むように生えていた既存樹が保全されています。クスノキ、メタセコイヤ、プラタナス、ヤナギといった既存樹はすべて樹木医が診断。状態の悪い木を中心に、約半数はやむなく伐採しましたが、その分は新しくサクラ、サルスベリ、キンモクセイなどを植樹しています。
旧広島市民球場の外周をなぞるグリーンリボン。公園内の木陰を増やすとともに平和記念公園の緑など周辺の環境と調和した緑のネットワークを形成します。
外周の緑のうち、南西の一角は「勝鯉(しょうり)の森」と名付けられ、広島東洋カープのこれまでの優勝を記した記念碑が設けられています。
勝鯉の森の向かいには、旧広島市民球場時代に使われていた外野ライト側スタンドのベンチ座面を再利用した憩いのスペースが設けられています。

ひろしまゲートパークのホームページにある、公園内を自由に見て回れる「360度バーチャルパーク」。任意の場所で左下の花のマークをクリックすると、その場所にある植物の種類を四季ごとに教えてくれます。
NTT都市開発株式会社
中国支店 広島プロジェクト推進室
桑原誠
ひろしまゲートパークの「ゲート」には、2つの意味があります。ひとつは広島都心部の回遊性を高める役割を果たすゲート。もうひとつは新しいライフスタイルへの入口としてのゲートです。こんな魅力的な都市空間はなかなかありません。これを広島の魅力として発信していきたいという思いが込められています。そのために、公園の広大な敷地内に周辺エリアへつながる散策路を巡らせるとともに、グリーンリボンをはじめとする緑による気持ちのよい空間づくりを心がけました。
NTTアーバンバリューサポート株式会社
ひろしまゲートパーク パークオフィス所長
上元新一郎
公園運営では、運営面では施設の案内や周辺の観光案内など、利用者の方への対応が中心になります。イベント広場では、毎週末のように催しが行われていますので、利用申込みに対して管理上問題ないかどうかのチェックや、商業施設の入居者さまとの調整も重要な仕事です。維持管理面では、剪定などは専門会社さんにお任せしていますが、やっぱり植栽の管理を大事にしています。訪れるみなさまに気持ちよく利用していただけるよう安心安全な公園にすることを心がけています。
NTTアーバンソリューションズグループのメンバー同士が連携を取りながら、自然環境に恵まれた広島市の魅力を発信していきます。


