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品川港南2050プロジェクト④
XRが拓く未来の都市体験─デジタルとリアルが交差する品川港南のまちづくり
XRが拓く未来の都市体験─
デジタルとリアルが交差する
品川港南のまちづくり
品川港南2050プロジェクト④
賑わいと
憩いの場を創る

NTT アーバンソリューションズグループは、まちに、社会に、さまざまな価値を提供することにより、地域社会の課題解決に取り組んでいます。本シリーズでは、その取り組みを具体的にご紹介。
今回取り上げるのは、そんな品川駅周辺のなかでも特に、品川港南エリアの地域の魅力向上や価値の最大化、地域課題の解決をめざす『品川港南プロジェクト』。
品川港南エリアでは、XRを活用した新しい都市体験の実証実験が進められています。2023年には、街のイルミネーションイベントにXR技術を導入し、品川の風景にデジタルコンテンツを重ねる試みが実施されました。2024年は「KŌNAN XR -Touch the City」としてさらに発展し、12月のイルミネーションとのコラボに加え、2025年3月には新たなXR体験が展開されました 。
このプロジェクトを推進するNTTアーバンソリューションズ、XR技術を提供するNTTコノキュー、そして全体のXR空間演出を担当した株式会社RED、Henki Leungと、そのアプリとXRコンテンツの実装を手がけたTHRUSTERの担当者に、実証実験の狙いや今後の展望について伺いました。

物件概要

プロジェクト名:品川港南2050プロジェクト

NTTアーバンソリューションズをはじめとしたNTTグループによる、品川港南エリアの「街づくり×デジタル」に取り組むプロジェクト。交通の要所であり、またNTTグループの不動産アセットが集積する品川で、2050年という未来を描いて、周辺企業や住民と連携しながら品川の街はもちろん、広域交通によってつながる地方都市の活性化に寄与することをめざします。

インタビュー

品川シーズンテラス
品川シーズンテラス
品川シーズンテラス
品川シーズンテラス
品川シーズンテラス

お話を伺った方

NTTアーバンソリューションズ株式会社

街づくり推進本部 企画部
デジタルイノベーション
推進部
担当課長 川崎 麻美子

株式会社NTTコノキュー

テクノロジー部門
テクノロジーグループ
担当課長 森永 康夫

株式会社THRUSTER

ディレクター
山内 真由

株式会社RED

ディレクター
山本 正太

Airside 日本

クリエイティブ・
ディレクター
Henki Leung

※肩書き・所属・業務内容などはすべて取材当時のものです。

クロスリアリティが街中での新しい出会いと体験を生み出す

品川港南エリアでXRを活用した実証を行う背景について教えてください。

川崎 麻美子

川崎: 品川港南エリアはオフィス街のイメージが強いですが、実際には商業施設や水辺のエリアもあり、多様な環境が共存しています。この街の特性を活かし、XRを用いることで、都市体験をより豊かにできるのではないかと考えました。例えば、通勤時には見慣れた景色に新たなデジタル要素を加え、日常の風景を一変させたり、仕事帰りに家族と訪れた際に異なる体験を提供したりすることが可能になります。また、XRは単なる映像表現にとどまらず、都市空間を活用した新しい表現手段としての可能性も秘めています。将来的には、スマートグラスを通じて、都市の風景の中にデジタル情報が自然に組み込まれる世界をめざし、今回の実証を進めています。

具体的にどのようなXR体験を提供しているのですか?

川崎: 2023年度の実証では、毎年品川港南エリアにて行われているイルミネーションイベントにXR技術を掛け合わせ、街のさまざまな場所にデジタルコンテンツを配置しました。例えば、品川駅前や運河、企業敷地内など、品川港南の街を舞台にして、多くの方に新しい体験を楽しんでいただきました。2024年度は、さらにコンテンツを拡大し、『KŌNAN XR -Touch the City』として、12月及び3月の2回実施をしました。2023年度との大きな違いは、街中の各スポットのXR演出を我々が行うのではなく、クリエイターの方に演出をいただいたことです。

12月はRedさんとTHRUSTERさんによる演出で、品川港南のオフィス街や広場などの街並みを森や谷、滝などと見立て、「水の精霊と光の旅」と題し、精霊が案内する幻想的な物語性のある演出をいただきました。3DCG技術を活用した立体感と没入感ある演出は、いつもとは全く違う品川港南の夜の街を見せてくれました。

また、3月は多様なクリエイターさんに参画いただき、「クリエーターズプレイグラウンド」と題し、スポット毎に異なるクリエイターさんによる体験演出が楽しめるイベントとしました。また、特別企画として、NTTコノキューによる、XRグラス「MiRZA」の体験イベントも実施し、多様な形でXRを楽しむ機会を提供しました。クリエイターの方々が街を舞台に演出をいただくことで、今までとは全く違った楽しみ方や体験が生まれています。

動画サムネイル:12月『KŌNAN XR -Touch the City(水の精霊と光の旅)』の様子 動画再生画面を開く 動画再生画面を開く

12月『KŌNAN XR -Touch the City(水の精霊と光の旅)』の様子

3月『KŌNAN XR -Touch the City(クリエイターズプレイグランド)』の様子

12月のイベント『KŌNAN XR -Touch the City(水の精霊と光の旅)』の演出について教えてください。

山本: 品川は港町として栄えてきた歴史があり、その過去と自然の側面、現在のオフィスビル群の未来とテクノロジーを掛け合わせた演出を考えました。XRによって、これらの要素を一つのストーリーと体験としてつなげ、街の魅力をより感じてもらえるようなデザインを意識しました。

山本 正太
山内 真由

山内:XRのコンテンツは、高精細であればあるほど没入感が増します。しかし、リアルタイムのアプリケーションでは、データ容量や処理負荷の問題があり、最適なバランスを取るのが難しい点があります。THRUSTERとしては、VPS(Virtual Positioning System)を活用し、リアルな街並みにデジタルコンテンツを正確に配置することに注力しました。例えば、ビルの壁面に演出を表示させる際、リアルタイムでポジショニングを行うことで、視点が変わってもコンテンツが正しく見えるような技術を実装しました。そのためには、REDさんの作った高精細な3Dモデルを、スマートフォンでも快適に動作するように最適化する作業が必要でした。例えば、ポリゴン数を削減しながらも、視覚的なクオリティを落とさないよう調整するなど、毎週のミーティングで細かい部分まで詰めていきました。

XRの魅力について教えてください。

Henki Leung: XRは、ストーリテリングの語り方やアートとのふれあい方にあたらしい可能性を見出します。さらに環境を今までとは違った視点で探る手助けにもなります。物理的な空間にデジタルを重ねることで、まるで新しい世界が広がるようなダイナミックさがあります。デジタルだからこそどこでも持っていけて別の場所や建物にも活用できます。みんなが全く新しい方法でかかわることができる点です。

対面イベントの様子 動画再生画面を開く 動画再生画面を開く

NTTコノキューさんが取り組まれている、XRグラスについて教えてください。

森永: NTTコノキューは、XRサービスとソリューションの提供を、コノキューの子会社であるNTTコノキューデバイスではリアルとバーチャルを融合させるARグラス、MiRZAの開発を行っています。今回は、『KŌNAN XR -Touch the City』のイベント期間中、品川シーズンテラスのオフィスエントランスやイベント広場で、実際に一般の方にMiRZAの体験をしていただきました。

MiRZAは、リアル空間にバーチャル情報を重ね合わせるグラス型デバイスであり、都市の風景の中にデジタルコンテンツを自然に溶け込ませることができます。今回の実証では、このデバイスを活用し、現実世界の特定の場所にデジタルコンテンツを固定し、複数の人が同じ視点で共有できる技術を検証しました。例えば、誰かが街のポストの上にデジタルオブジェクトを配置し、それを別の人が後から見ることができるような仕組みです。

森永 康夫
KŌNAN XR開催 期間中 XRグラス体験イベントを実施

KŌNAN XR開催 期間中 XRグラス体験イベントを実施

今後の展開についてお聞かせください。

山本: XRはまだまだ可能性のある技術です。例えば、異なる都市同士をリアルタイムで繋げたり、アートと融合させることで、新たな文化の発信拠点としても活用できると思います。

山内:品川のような都市部でのXR活用は、今後の街づくりに大きな影響を与えると思います。これからさらに進化し、街全体がXRによる新しい体験の場になることを期待しています。

森永: XRグラスの技術的な課題として、街中でXRを活用する際のリアルタイムなコンテンツ共有や、複数人が同時に同じコンテンツを体験できる仕組みの最適化が挙げられます。また、都市空間でのXRの活用には、XRコンテンツの表示場所や利用ルールの整備など制度面での課題もあります。将来的には、特定のエリアをXR特区のように設定し、より自由な実証ができる環境を整えることが望まれます。NTTコノキューとしては、ARグラスの普及と、XRが日常の一部となる未来をめざしています。今回の品川港南での実証を皮切りに、XR技術が都市と融合することで、新しい街の価値を創出できることを期待しています。

川崎:デジタルアートやインタラクティブな演出を取り入れることで、これまでとは異なる街中での体験の広がりが期待できると考えています。今後は、デジタルコンテンツの配置だけでなく、日常の中にXRを組み込むことで、新たなライフスタイルの提案につなげたいと思います。例えば、オフィスビルや飲食店、公共空間など、さまざまなシーンでXRを活用し、街の中での利便性や楽しさを向上させる取り組みを進めていきます。

KŌNAN XR開催 期間中 XRグラス体験イベントを実施

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