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実証実験Vol.04成長し続ける街づくりのために、街づくりDTC®ができること | NTTアーバンソリューションズ株式会社
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~アーバンネット名古屋ネクスタビル~

進行しているさまざまなプロジェクトで、街づくりDTC®の実証実験がはじまっています。今回ご紹介するのは、2022年1月に竣工した名古屋・東桜のアーバンネット名古屋ネクスタビルの取り組みです。NTTアーバンソリューションズグループにおける次世代型オフィスの第1号案件として、この複合ビルで行われる実証実験について、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTドコモ、NTTアーバンソリューションズ株式会社の各社より紹介します。

赤坂:今回開発を行った街区は、2005年にアーバンネット名古屋ビルとして複合ビル開発を行っており、その隣に位置する対象地の取得機会に恵まれたことが開発のきっかけです。もともと名古屋の賑わいの中心地といえば栄だったのですが、近年は名古屋駅前で大きな開発が進んできて、賑わいの中心も名古屋駅前に移り始めていた時期でした。そこで再び栄に賑わいを呼び戻すという目標を掲げ、街区全体を改めて開発するという流れに至りました。
今回の街区のコンセプトは「タスクやコミュニケーションを時間と空間から解放し、新たな発見と創造を生み出す場」です。この街区を利用される方々がワクワクして働き、過ごすということで「幸福働(動)」ということで開発を進めて参りました。働くの「働」と使う方の目的によって変わる「動」きという言葉をかけて、このように名付けました。このコンセプトで開発がはじまったのはコロナ禍の前だったのですが、この数年変化した生活様式の中で、今の時代にもあったコンセプトになっているのではないかと思います。
大崎:そうですね。街区コンセプトを受けて「デジタル×街づくり」をどう実現するかを検討してきました。デジタルをデータと捉えるのであれば、取得したデータそのものは単純な結果でしかなく、そのデータを分析し人の目を通して読み解き、既存のサービスの改良や新規サービスに活用して「幸福働(動)」を実現できるように考えています。

赤坂:今回のアーバンネット名古屋ネクスタビルは、次世代型オフィス第1号案件と位置付け、NTTグループらしさとしてICTを最大限に活用することによって、今までと違う街づくりを強化することをめざしました。これは開発計画が進む過程の中で決まったわけですが、そのタイミングで当初計画から改めてターゲットの見直しや、そのターゲットが求めるニーズや価値は何かということを徹底的に洗い出ししました。また最先端のツールを導入するということは、今まで使ったことがないわけですから、ツールの選定はもちろんのこと、そのコストコントロールや現場での設計施工対応も大きなチャレンジでした。
大崎:ICTの最大限の活用ということなので、どう分析して運用するかは現在も進行中の課題ですね。個人情報保護の観点からもサービスを組み立てる必要があり、NTTグループをはじめ、チームメンバーやいろいろな方々のご意見も聞きながら進めています。サービスの実証では、街づくりDTC®を活用して、仮想空間での予測・シミュレーションの結果を実際の世界に反映することをめざします。
例えば、人の混雑度から快適な空調設定をするようなサービスを、まずは共用スペースから行います。また、人の流れを予測して最適なロボット配送を行う実証を行う予定です。
赤坂:ICTツールの選定においては、世の中にあるツールを並べてその中から導入できそうなものを選ぶということではなく、
お客様にどのような価値を提供したいか、それを実現するための手段として最適なものはどれかという考え方から選定を行いました。
大崎:そうですね。ICTはコンセプトを実現するための手段です。アーバンネット名古屋ネクスタビルでは、2階に入居者専用のワーカーズラウンジがあり、20階の屋上テラスもご利用いただけます。仕事だけでなく、新たな出会いや気づき、人と人とのつながりが生まれるような場所にしたいと思っています。行ってみて場所がないということでは、「時間と空間からの解放」を実現できないため、混雑度だけでなくどの席が空いているかを見えるようにし、デジタルコミュニティマネージャーを利用して、どんな人がワーカーズラウンジのどこにいるのかわかるようになっています。

赤坂:データ利活用を前提として開発されたアーバンネット名古屋ネクスタビルは、これまでのビルが「ビルに人が合わせる」ものだったのに対して、「ビルが人に合わせる」ことをめざしています。また、竣工後ビルの運用管理を担うメンバーの役割も変わっていかなくてはいけないと考えますので、開発フェーズから参画してもらって一緒に開発計画の策定を行いました。
これまでのビル以上に膨大なデータが蓄積されると思いますので、それをどう分析し活用するか。また機械的に集められたデータだけでなく、日々の入居者の方々とのコミュニケーションから得られる生の声をどう活かすか、更にはエリアマネジメントという観点で地域と連携しながら、イベントやコミュニケーションの発展形などこの建物だけでは実現できないような付加価値をどう提供していくかということも重要ですね。
大崎:街づくりDTC®のキモは予測・シミュレーションと言いましたが、所定の時間に注文を受けても配送できないということがないように、ロボットの配送時間やルートを人が混雑する時間帯・場所を避けるなど、先回りしてサービスが提供されているということを、この街区にいる方々はひょっとしたら気がつかないかもしれないですけど、このビルにいるとなぜかストレスを感じないとか快適に過ごせるように、街づくりDTC®が支えとなって、「またこのビルに来たい、働きたい」と思ってもらえたらと思いますね。
赤坂:いろいろな想いや狙いを詰め込んだのがこのアーバンネット名古屋ネクスタビルですが、結局重要なことは「人」であると思います。この開発計画に込めた思想を、運用・管理フェーズでも持ち続け、NTTアーバンソリューションズグループ一丸となって、ビルも街も成長させ続けていきたいと考えています。

(c) Forward Stroke inc.

今回のアーバンネット名古屋ネクスタビルの最適空調の実証は、滞在人数予測・室温再現の技術を活用し、商業エリアにおける通路・ロビーといった共用部の空調制御最適化の実証を、快適性・エネルギー消費量削減という視点で行います。
そして、快適性を担保しつつエネルギー消費の5割削減をめざします。
最適空調制御の技術はNTTスマートデータサイエンスセンタの技術として確立されたものですが、アーバンネット名古屋ネクスタビルに設置された複数種の人感センサーのインプットデータによる効果の違いや、吹き抜けといった特殊な環境における空調の効き具合を、実運用されている施設において測定し、今後更なるサービス向上につなげていきたいと考えています。
我々NTTコミュニケーションズは人々が幸せになれる街の実現をめざして、デジタルツインコンピューティングを活用した街づくりに取り組んでいます。その中で、サスティナブルに人と環境が共生していくための取り組みとして、建物の空調や照明などのエネルギーを、より効率的に運用し、NTTグループが掲げる2040年のカーボンニュートラルの実現に貢献していきたいと考えています。今回の実証を通して、我々のエネルギーマネジメントシステム技術を活用しながら、日々変化していく人々の生活スタイルや建物の利用状況に合わせて、省エネルギーで環境と人々に優しい街づくりを行っていきたいと考えています。
開発において苦労した点は、本システムではフロア・エリアごとに設置された空調設備に合わせてAIの機械学習の設定を行う必要があるのですが、空調設備の知見が豊富でない当社にとって、システム実装や設定を行うのが大変な作業でありました。こちらについてはNTTのグループ企業にも協力いただき進めていきました。
このAIを活用した空調制御シナリオの算出に必要な学習データ計測・強化学習を約2週間程度の期間で実施することができるため、ビル設備・データ収集の環境が整えば短納期でシステムを稼働させることが可能となりました。

最適な空調管理や心地よい空間にとって、一番重要なポイントは、「最適な空調管理」ではエネルギー量の削減が求められ、「心地よい空間」を実現するにはエネルギー量の増加が見込まれるというトレードオフの関係です。
いかにこの2つの要件の許容レベルを見出し両立できる環境を作り出すことができるかが重要と考えます。
快適な空間を作り出す要素としては温度・湿度・風量などがありますが、快適性を担保しつつ、エネルギー量削減にも寄与する設定値を見出し、精度を上げることが重要と考えます。
今回の実証では、空調制御の範囲が共用部となりますが、オフィス・店舗エリアといった専有部の空調制御についても検証を進め、今後ビル全体の空調制御に取り組みたいと考えています。
また本実証の空調制御シナリオ算出の過程で共用部の人流についても予測を行いますので、街づくりDTC®の取り組みの中で様々なサービスにこの人流予測データを活用していただけるかと思います。例えば共用部の人流予測データを隣接する店舗に提供することにより、来店者数の予測や店舗スタッフのシフト計画といった面で店舗運営の効率化に役立ててもらえるのではないかと考えています。

南:今回のアーバンネット名古屋ネクスタビルでの実証実験は、施設内の利用者の方々がモバイルオーダーを利用して注文したものをロボットが配送するというものです。ポイントは3点あります。まず1点目に、5Gを活用しているという点。2点目は、より実利用に近い形ということで複数ロボットによる配送という点。3点目は、周辺環境に応じてロボットの最適な配送ルートを選択するというところにあります。
5Gの実証は数多く行っていますが、これらの3つの条件を備えた実証実験というのは今回がはじめてになります。
ロボット配送の市場はニーズも高まっており、より本格運用に向けて段階的にステップアップした実証実験と言えると思います。
内村:苦労した点としては、まずは複数のシステムの連携です。単一のロボットを動かすのではなく、複数ロボットを制御するわけですが、オフィス内にはエレベーターなどの設備がございます。こうした複数ロボットの制御や周辺環境の考慮した複数のシステム連携という点が非常に苦労した点です。一方でその苦労した点は、優位点とも言えます。今回はオフィス内の配送の実証ではありますが、配送ロボットは屋外の配送にも対応した機種になります。今後はおそらく街区内を自由に動き回る、そんな未来を想定しています。複数ロボットの制御は、サービスの幅の広がりが期待できます。ロボットに取り付けられたカメラやセンサーからの情報をリアルタイムで伝送して周囲の状況や周辺の障害物情報を遠隔で監視します。将来的にはロボットが24時間稼働するということが十分想定されますが、街づくりDTC®との連携によって、取得した膨大なデータの利活用も期待できます。街の複合的な情報をロボットと組み合わせて提供することで、よりロボットの活用シーンも広がると考えています。

南:自分自身を考えてみても、スーパーに買い物に行くと、遠かったり、重かったり、多めに買ってしまうということがよくあります。そういったときにロボットが適切なタイミングで、混雑したルートを避け、いち早く欲しいものを届けてくれるような社会になれば、必要なタイミングに必要なものだけを注文することでき、例えばフードロスのような社会的な課題にロボットが寄与できるのではないかという文脈でこの実証に期待しています。
内村:また周辺環境の情報を取得することで、その街区における適切な広告の配信などもできるのではないかと考えます。
南:例えばアバターロボットを活用し、行きたくても行けない水族館などにアバターロボットから伝送される映像を通じて気軽に行くことができ、遠隔地にいる子供たちが好きなアングルやタイミングでイルカショーを楽しむこともできます。また足が不自由な高齢者の方に代わってデパートで買い物をし、アバターロボットを通じて遠隔地の店員が商品説明をしてくれます。こういった社会的な課題解決のためには、ビルの運営管理者の方々や自治体の方々などとも連携することが必要です。ロボットの普及した未来では、プラグの標準化など街づくりを意識したロボットの社会実装が必要だと感じています。
内村:5Gの特徴として、「高速・大容量」「低遅延」が挙げられます。ロボットに関しては制御や遠隔監視のための通信の安定性を確保できるという利点があります。また特に遠隔監視の際は高精細な映像をリアルタイムで伝送し続ける必要があるため5Gの強みを活かすことができます。ロボットから取得される情報は今後膨大に増えることが予想され、通信においてもしっかり帯域を確保し、通信環境を整備することでロボットサービスの安定的な運用に貢献できると考えています。

※株式会社ZMP提供

NTTアーバンソリューションズグループでは、街で過ごす皆様に対して、より快適で楽しい体験を提供していきたいと考えています。その実現にあたっては、グループのICT、不動産、エネルギーなどのアセットを活用していきます。
今回竣工したアーバンネット名古屋ネクスタビルでは、次世代オフィスビルの第1号案件としてさまざまな実証に取り組んでいきます。
今回の実証は、実用化されたら終わりではなく、ユーザーの利用状況を分析し改善することによって常に一番よいサービスを提供していきたいと考えています。
今後竣工するビルや街づくりの中でも、東桜の仕組みを導入することで成長し続ける街づくりをめざしていきます。

各社担当者からのコメントいかがだったでしょうか。動画の中では、【お茶の水博士からのQuestion】ということで「成長し続ける街づくりをどのようにめざしますか?」という質問に、それぞれ答えています。ぜひ、チェックしてみてください。

実証実験 Vol.05へ続く

ビルはヒトに合わせて
進化していく

体験を連鎖させていくビル

領域を超えて人々の暮らしに寄り添っていく街づくりDTC®のサービスが街なかに広がっていくと、エリアや建物の中でさまざまな体験が連鎖してゆきます。わたしたちが愛知県名古屋市東桜のアーバンネット名古屋ネクスタビルで行なう実証実験は、今後、一つの建物の中で、相互に連鎖をし、価値を創出していきます。

おもてなしとフードロスの掛け合わせ

アーバンネット名古屋ネクスタビルで行う、おもてなしの実証実験では、レストランなど店舗の機会損失を防ぐべく、おもてなし体験の創出を通じて嗜好に応じた店舗のレコメンドを行ないます。ユーザの情報をもとに嗜好を推定し行動を予測し、同時に店舗の情報をリアルタイムに解析していくことで、ユーザの好みに添いながらも今スムーズに入れるレストランをレコメンド。通常は混雑状況によって入りたいお店に入れない人が生じたり、本来はそのお店を気に入ってくれる人がいるはずなのに来てもらえなかったり、ユーザと店舗双方の機会損失が生じていましたが、リアルタイムにユーザと店舗に寄り添うことでこのミスマッチを解消していきます。

例えば、このおもてなし体験で得られたデータを街づくりDTC®を利用し、行動や状況の変化をデジタルツイン上で予測・最適化し、フードロス実証である店舗の来店者予測へとつなげていくことで、店舗側の受け入れ準備を支援し、ロスの出ない食材手配やスムーズな給仕を実現、フードロスの解消を進めることが可能になります。

※イメージ

あなたに合わせて変化しつづける街

今回アーバンネット名古屋ネクスタビルでは、「おもてなし」「ロボット配送」「フードロス」「空調最適化」の実証実験を行っていますが、今後実証実験が進んでいけば空調やロボットのデジタルツインなどさらに多くのサービスが掛け合わさっていくでしょう。ただビルがあなたにオススメのレストランを紹介してくれるだけでなく、自動的にレストランからロボットが料理を届けてくれるかもしれませんし、あなたのその日の気分に合わせて室温や湿度など周囲の環境を調整してくれるようになるかもしれません。

加えてビルを超えて街づくりDTC®が広がってゆけば、ひとつのオフィスビルや商業施設の中だけでなく、街全体でこうしたサービスが提供されていくことになります。その先には、あなたの行動や嗜好に合わせて、まるで生きているかのように常に変化し続ける街が待っているはずです。

(c) Forward Stroke inc.

掲載の完成予想パースは設計図面、資料などを基に作成したもので、実際とは異なります。