あらゆる領域でデジタル・トランスフォーメーション(DX)が進んでいくなか、街づくりにおいても多くの企業がデジタルテクノロジーを活用したスマートシティを実現しようとしています。そこでわたしたちNTTグループはその街ならではの「未来の街づくり」を実現するために、デジタル基盤「街づくりDTC®」の開発と実証実験をNTT研究所と共同で開始しました。
「DTC」とは、デジタルツインコンピューティング(Digital Twin Computing)のこと。現実世界からリアルタイムにデータを取得して仮想空間に再現したデジタルツイン(DT)同士をかけ合わせてシミュレーションし、それを現実世界にフィードバックすることで、分野を横断した価値の実現をめざします。
この新たなデジタル基盤を使って、わたしたちはみなさまと一緒に未来の街をつくっていきたいと考えています。豊かな生活や幸せな生活のかたちは、一人ひとり大きく異なっているはずです。だからこそ、わたしたちは多様な価値を提供できる街づくりDTC®を通じて一人ひとりの幸せに寄り添い、つねに成長しつづける街を実現していきます。
「街づくり」において最も大切なのは、そこで働く人、集う人、住まう人、一人ひとりが活き活き、ワクワクと過ごせること、さらにそれがサスティナブルで全体最適にもつながるようにしていくことだとわたしたちは考えています。もちろんデータやテクノロジーの活用は大切ですが、あくまでもそれは豊かで快適な暮らしを実現するための手段であるはずです。わたしたちは一人ひとりに寄り添った街づくりを実現するために、街づくりDTC®を通じてつぎの3つの変化を起こしていきます。
モノからコトへ、
コトからヒトへ
わたしたちは建物や空間、ICTのものづくりをするのではなく、豊かな体験を生み出します。街にいる人がどうすれば幸せになれるのか考え、一人ひとりの幸せを実現するために多様な体験を生み出していきます。
データドリブンから、
価値やサービスの連鎖へ
わたしたちは、データを組み合わせて利活用するだけでは不十分だと考えています。理想的な価値や体験を設定し、それを実現するためにいくつものサービスを連鎖・連携させてゆきます。
変わらない街から、
変わりつづける街へ
建物や街区ができあがれば街が完成するわけではありません。わたしたちは環境や社会の変化はもちろんのこと、人々の価値観やライフスタイルの変化に合わせて、つねに変化しつづけ、成長しつづける街を実現します。
わたしたちは、「ただ便利で快適な暮らし」を提供したいわけではありません。コロナ禍のような社会の変化によって一人ひとりの価値観も変わっていくなかで、すべての人が「活き活きと暮らし、想像を超えた感動や出会いを享受できるような街」を実現していきたいと考えているのです。
街づくりDTC®は、複数のデジタルツインのシミュレーションをかけ合わせることで、価値の連鎖を引き起こしていきます。たとえば「飲食フードロスDT」では使用する食材の需給や提供する食事の量を最適化し、「テナント運営DT」ではエリアごとの混雑度や個人の行動を予測することで快適な空間をつくるなど、シチュエーションごとに予測と最適化を行なうことで、さまざまな人々の行動に応じて価値を提供できる街を実現するのです。それは、街全体が一人ひとりをもてなしてくれるような街づくりといえるかもしれません。
複数のデジタルツインが組み合わさると、いったい何が起きるのでしょうか? たとえばオフィスへ通勤する人の生活を考えてみましょう。まず出社するとスケジュールに応じて最適なオフィス空間が用意され、お昼になれば一人ひとりの健康状態やレストランの混雑状況に合わせた食事や場所がレコメンドされます。ランチからオフィスに戻れば会議に必要な設備や備品は自動的に用意され、外出する際はビルを出るタイミングでタクシーが目の前に止まってくれます。街からは渋滞もなくなりますし、信号やエレベーターで待たされることもありません。人の行動を阻害するストレス要因は、すべて解消されていくはずです。街づくりDTC®とは、「街」ではなく「人」を豊かにするために生まれたテクノロジーなのです。


昭和26(1951)年、『少年』連載の『アトム大使』で登場。その後、連載漫画『鉄腕アトム』で大人気となる。悪を滅ぼす正義のヒーローというよりも、人間の味方として、一緒によりよき道を考えるという深いキャラクター。世界中の老若男女に世代を超えて親しまれています。
連載漫画『鉄腕アトム』にアトムの妹ロボットとして登場。心優しいおてんば娘。何よりも、兄のアトムをとても慕っています。
アトムの科学的な後見人であり、育ての親であり、「人間の心の優しさ」を説く先生でもある存在。発明の天才でありながら、どこかおっちょこちょいなところも。